トランプ氏のエンテュメーマ(省略三段論法)

東洋経済オンラインの記事より。"行間"を読ませる「トランプ話法」の功罪 「省略三段論法」というレトリック
 
例えばこんな感じのやつです。
「われわれは一時的に何か(something)しなければならない。なぜなら、何か(something)良からぬことが起きているからだ」(記事より引用)



この手法はよく使われます。
2012年衆院総選挙の自民党の「日本を、取り戻す」も類型だと思います。これを初めて見た時、「巧いスローガンだなぁ」と感じたことを覚えています。
このフレーズは、誰が、何を取り戻すのか主語も目的語も曖昧です。「アメリカに押し付けられた憲法の改正」、「自虐史観からの脱却」、「震災後の意気消沈した日本の、過去の輝かしい経済成長の再現」、「領土問題の解決」、「歴史問題の解決」、などなど、いくらでも各人の都合に良いように解釈できます。
いずれにしても、震災と原発事故の後、社会に充満した喪失感をしっかりとキャッチしていました。


トランプ氏の話に戻します。彼の演説の解釈は聴く人の主観に委ねられています。彼の人気の主要な理由はこの話法でしょう。


曖昧な表現は、論敵に言質を取られないというメリットもあります。



過激な主張も人気の理由なのでしょうが、私は嫌いです。イスラム教とキリスト教の全面対決はISISの思う壺です。
あと、彼の思想では日本人も同様に下に見られている気がしてなりません。





※同じ「曖昧」でも、「歯切れが悪い」のはダメ、ゼッタイ

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